新車の普通自動車の法定耐用年数は6年です。中古で買った場合は、残りの使用可能期間を見積もることになっていますが、実務ではほぼ全員が次の「簡便法」を使います。
| 経過年数 | 計算 | 耐用年数 | 定率法の償却率(200%定率法) |
|---|---|---|---|
| 1年落ち | (6−1)+1×0.2=5.2 | 5年 | 0.400 |
| 2年落ち | (6−2)+2×0.2=4.4 | 4年 | 0.500 |
| 3年落ち | (6−3)+3×0.2=3.6 | 3年 | 0.667 |
| 4年落ち | (6−4)+4×0.2=2.8 | 2年 | 1.000 |
| 5年落ち | (6−5)+5×0.2=2.0 | 2年 | 1.000 |
| 6年以上 | 6×0.2=1.2→2年未満 | 2年 | 1.000 |
4年落ちで耐用年数が2年になり、定率法の2年の償却率は1.000です。つまり期首に買って事業に使い始めれば、初年度に取得価額のほぼ全額(備忘価額1円を残して)を償却できる。これが「4年落ちの中古車は節税になる」と言われる理由です。定額法なら2年で半分ずつです。
なお、3年落ちだと3年(償却率0.667)、5年落ちでも同じ2年なので、「4年落ち」は最短の耐用年数になる最も新しい年式、という意味です。
ここが一番見落とされる点です。法人は車両の法定償却方法が定率法なので、何もしなくても定率法で償却できます。しかし個人事業主の法定償却方法は定額法です。定率法で償却したいなら、次の手続きが必要です。
後者は期限が「その年の3月15日」、つまり買う前に出しておく必要があります。「4年落ちを買ったから定率法で」と確定申告のときに気づいても、その年は定額法になります。
減価償却費は事業に使い始めた月から月割です。期首(個人なら1月)に買えば12か月分、12月に買えば1か月分しか償却できません。「年末に駆け込みで買って全額経費」はできません。
また、プライベートでも使う車は、事業で使う割合(事業按分)の分しか経費になりません。按分の根拠は走行距離や使用日数など、説明できる基準で決めます。
試算例:取得価額400万円、4年落ち、1月に購入、事業按分60%、税率30%(所得税20%+住民税10%と仮定)
初年度に全額償却した車を2年後に200万円で売れば、帳簿価額はほぼゼロなので200万円近くの利益が出ます。個人事業主の場合、事業用車両の売却は譲渡所得(総合課税)となり、50万円の特別控除、保有5年超なら2分の1課税という計算になります(事業按分していた場合は事業用部分で計算)。法人なら固定資産売却益です。
つまり中古車の償却は、税金を減らすのではなく、課税のタイミングを後ろにずらす効果です。リセールバリューの高い車ほど、売却時の利益も大きくなります。利益が大きく出た年に買い、所得が下がる年に売る、といった所得の平準化として使うのが正しい理解です。
本記事は公開日時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。個別の税務判断は事業者ごとの事情により異なりますので、具体的な適用にあたっては個別にご相談ください。