当事務所は、この状態を「毎月回る原価計算」で解消するお手伝いをしています。この記事は要点だけ。3分で読めます。
例:人件費450万円/年÷1,800時間=2,500円/時間。共通のお金 月300万円÷全体2,000時間=1,500円/時間。
1個30分で作る製品Aなら、原価=材料費+人件費1,250円+割り振り750円。
対象は売上の大きい20〜30品目だけでいい。決めたルールは変えない。毎月続ける。それだけです。
| 場面 | 見る数字 |
|---|---|
| ふだんの値決め | 家賃の割り振りまで含めた原価+利益 |
| 暇な時期の追加の仕事 | 売価−材料費など。プラスなら受ける(断っても家賃は出ていく) |
| やめるかどうか | やめたら本当に消えるお金だけで比べる |
「原価割れだから」と断って儲かる仕事を捨てる。「安くても仕事だから」と受けて家賃が回収できない。どちらも、原価計算がないから起きます。
ここを所定労働時間で割ってしまうと、原価が実態より安く出ます。
| 所定労働時間で割る | 実際に作っている時間で割る | |
|---|---|---|
| 年間の人件費(給与+賞与+社会保険料) | 450万円 | 450万円 |
| 割る時間 | 2,000時間 | 1,600時間 |
| 時間あたり | 2,250円 | 2,813円 |
差は25%。段取り、手待ち、会議、清掃、記録——製品に触れていない時間を除くと、これくらい変わります。安い単価で原価を出すと、「利益が出ているはずなのに残らない」状態になります。
実働時間は、1〜2週間ぶんの作業日報を集計すれば概算が出ます。毎月測り直す必要はありません。年に1回見直せば十分です。
| ルール | 向いている会社 |
|---|---|
| 作業時間で割る | 人の手が中心。迷ったらこれ |
| 機械の稼働時間で割る | 大型設備の減価償却費や電気代が共通費の大半を占める |
| 人数で割る | 部門ごとに人数がはっきり分かれている |
どれを選んでも、どこかに無理は残ります。大事なのは、選んだら変えないことです。毎年ルールを変えると、去年と比べられなくなり、数字が改善したのかルールが変わっただけなのか分からなくなります。
原価計算の最大の効果は、交渉の場に数字を持ち込めることです。
20〜30品目を並べると、多くの会社で赤字の主力品目が1つか2つ出てきます。「数量が出ているから」「昔からの付き合いだから」続けていた仕事が、実は一番忙しくて一番儲かっていなかった——これが最も多い発見です。
見つかったからといって、すぐやめる必要はありません。値上げの交渉をする、作り方を変える、数量を減らす。選択肢が生まれること自体が、原価計算をやる理由です。
本記事は公開日時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。個別の税務判断は事業者ごとの事情により異なりますので、具体的な適用にあたっては個別にご相談ください。