当事務所は、多店舗の会社に「店長が動かせる数字で見る損益表」の導入を支援しています。この記事は要点だけ。3分で読めます。
| 費用 | そこまでの利益 |
|---|---|
| 仕入れ + 店長が動かせる費用 (シフト・水道光熱・消耗品・店の販促) | 管理可能利益 = 店長の成績 |
| 店長には動かせない費用 (家賃・設備・リース) | 貢献利益 = 店の実力。出店・閉店はここで判断 |
| 本部の経費の割り振り | 参考。評価には使わない |
例(月次、単位:千円。本部の経費1,200を売上の比率で割り振り)
| A店 | B店 | |
|---|---|---|
| 売上 | 8,000 | 4,000 |
| 貢献利益(閉めたら消える利益) | 1,200 | 300 |
| 本部の経費の割り振り | 800 | 400 |
| 割り振り後 | 400 | △100 |
会社全体の利益は 1,200+300−1,200=300。
B店を閉めても本部の経費1,200は消えないので、利益は 1,200−1,200=0。
「赤字」のB店が、毎月30万円を稼いでいた——割り振り後の数字だけ見ていると、これを見落とします。
| 部門 | 入れるもの |
|---|---|
| A店・B店・C店… | その店の売上と、その店のために使った費用 |
| 本部 | 社長・経理・総務の人件費、本社家賃、システム、どの店にも属さない費用すべて |
「本部」を作らずに全部の費用をどこかの店に押し込むと、押し込まれた店の店長が、自分に関係のない数字で評価されます。迷ったら本部に置く——これで構いません。
| 行 | 中身 |
|---|---|
| 売上 | 店ごと |
| 仕入・原価 | 店ごと |
| 店長が動かせる費用 | シフト、水道光熱、消耗品、店の販促 |
| 管理可能利益 | 店長の成績。ここで比べる |
| 店長に動かせない費用 | 家賃、設備、リース |
| 貢献利益 | 店の実力。出店・閉店はここ |
これを全店横並びと前年同月比で並べます。金額だけで比べると大きい店が必ず勝つため、売上に対する比率も一緒に載せると、規模の違う店を同じ土俵で見られます。
前半のB店(貢献利益 月30万円)を閉めるかどうか。
| 金額 | |
|---|---|
| 閉めずに続けた場合の利益(3年分) | 30万円 × 36か月 = 1,080万円 |
| 閉めるときにかかる費用 | |
| 原状回復工事 | 300万円 |
| 中途解約の違約金 | 200万円 |
| 従業員の配置転換・退職に伴う費用 | 100万円 |
| 閉店費用の合計 | 600万円 |
閉めれば600万円を払い、1,080万円の利益を失う——この店は閉めないほうが有利です。「本部経費を割り振ったら赤字だから」という理由だけで閉めると、1,680万円の差を自分で作り出すことになります。
逆に貢献利益がマイナスの店は、続けるほど現金が出ていきます。この場合は閉店費用を払ってでも早く閉めるのが正解です。判断の分かれ目は、割り振り後の赤字ではなく貢献利益の符号です。
本記事は公開日時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。個別の税務判断は事業者ごとの事情により異なりますので、具体的な適用にあたっては個別にご相談ください。